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崔盛旭の『映画で学ぶ、韓国近現代史』

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韓国、“政治的な扇動”が問題に……『キングメーカー 大統領を作った男』に見る選挙と社会の分断

近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。そんな作品をさらに楽しむために、意外と知らない韓国近現代史を、映画研究者・崔盛旭氏が解説する。 ソル・ギョング、イ・ソンギュン出演『キングメーカー 大統領を作った男』  韓国のニュースや新聞には、「갈라치기(カルラチギ)」という言葉がたびたび登場する。囲碁の「割り打ち(相手が隣り合う隅を占めた時に、相手の勢力圏を分割するために中間に打つ手)」に由来するとされるこの言葉は、相手の集団や主張に亀裂を入れ、分裂を煽り、弱体化させる...

Netflix『梨泰院クラス』理解を深める3つの知識! 「梨泰院・財閥・クラス」の社会的背景とは?

近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。そんな作品をさらに楽しむために、意外と知らない韓国近現代史を、映画研究者・崔盛旭氏が解説していく。 パク・ソジュン主演 Netflix『梨泰院クラス』  コロナ禍で思うように外出ができず、在宅時間が増えたことによって動画配信プラットフォームが急速に浸透し、かねてより人気のあった韓国ドラマがますます見られるようになった。  中でも2020年2〜3月にNetflixで配信が始まった『梨泰院クラス』と『愛の不時着』は、重苦しい現実...

是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』、鑑賞前に知りたい韓国「ベイビーボックス」の実態

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。そんな作品をさらに楽しむために、意外と知らない韓国近現代史を、映画研究者・崔盛旭氏が解説していく。 ソン・ガンホ主演、是枝裕和監督映画『ベイビー・ブローカー』  国際的な共同製作が当たり前となった時代に野暮な言い方ではあるが、東アジアにおいてはいまだ、外国の有名監督が自国内で映画を撮るとなった場合、どちらの国にとってもそれは一大事である。  6月24日に日本公開された是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』は、彼が韓国...

「同性愛は治療で治る」韓国・ユン大統領秘書の発言が炎上! 映画『私の少女』が描く「LGBTと社会」の現在地

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。そんな作品をさらに楽しむために、意外と知らない韓国近現代史を、映画研究者・崔盛旭氏が解説していく。 ペ・ドゥナ主演映画『私の少女』  「同性愛は精神病であり、喫煙者が禁煙治療を受けるように治療すれば治る」――このような同性愛に対する偏見と無知に満ちた発言がまさに今、韓国で大きな物議を醸している。  発言の当事者は、今月10日に発足したばかりのユン・ソンニョル政権の中枢を担う大統領秘書(大統領の国政運営を補佐し、直接関与する...

Netflix『未成年裁判』は“ほぼ実話”? モチーフになった事件と、ドラマで描かれなかった「犯行動機」のうわさ

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。そんな作品をさらに楽しむために、意外と知らない韓国近現代史を、映画研究者・崔盛旭氏が解説していく。 Netflixオリジナルドラマ『未成年裁判』  最近、NetflixやAmazonプライムなどインターネット上のプラットフォームを通して配信される韓国ドラマの中には、実在の事件を題材にしたり、韓国の現状を反映した作品が目立つようになった。そして世界のどこからでも見ることができるこれらの作品によって、韓国ドラマ自体が世界的に熱...

映画『野球少女』で描かれた、韓国初の女性野球選手はいま――物語とは決定的に異なる「悲しい」結末

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし、作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『野球少女』  韓国には、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールと4種目の代表的なプロリーグが存在する。中でも、プロ野球の人気ぶりはほかの追随を許さない。日本やアメリカとたがわず、韓国プロ野球もまた、開幕すれば...

韓国映画『バッカス・レディ』4つのセリフが示す、韓国現代史の負の側面を背負う高齢売春婦の悲しすぎる人生

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし、作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『バッカス・レディ』  ミスク(ユン・ヨジョン)は1950年、朝鮮戦争が始まる1週間前に生まれた。戦争についての記憶はないが、それが残した悲惨さだけは、身に染みるほど経験しながら成長した。彼女の故郷は韓国にはない。戦争...

人気の韓国映画『7番房の奇跡』、時代設定が「1997年」だった知られざる理由

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし、作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『7番房の奇跡』  韓国でよく使われる言い回しのひとつに、「세상에 이런 법은 없다(セサンエ・イロン・ポブン・オプタ、世の中にこんな法はない)」というものがある。例えば濡れ衣を着せられたときや納得し難い状況に直面した...

『エクストリーム・ジョブ』を韓国コメディ映画部門の歴代1位に押し上げた、韓国の国民食“チキン”

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし、作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『エクストリーム・ジョブ』  スマートフォンで簡単に出前を頼めるようになった現在ではほとんど見られなくなったが、一昔前の韓国には「給料日の風物詩」と呼ばれた光景があった。我が子のために、香ばしく黄金色に焼かれた「トンダ...

韓国人との「区別」、詐欺・セクハラ被害……映画『ファイター、北からの挑戦者』に映る “脱北者”の現実

 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし、作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『ファイター、北からの挑戦者』  このコラムではこれまで、朝鮮民族受難の歴史を物語る「コリアン・ディアスポラ」についてたびたび言及してきた。日本による植民地統治とそこからの解放、直後の南北分断から朝鮮戦争へと続く激動の...