TBS系の火曜午後7時に異変が起きている。4月から始まったばかりの『オトラクション』が約1ヵ月以上も放送されていないのだ。
『オトラクション』は、西川貴教と霜降り明星が司会を務める新感覚の音楽バラエティ。3月末まで、極楽とんぼ・加藤浩次の『この差って何ですか?』が6年にわたり放送されていた枠で、その人気番組を打ち切りスタートしたものの、10月19日を最後に放送が途絶えている。
「10月26日は、26年の活動に幕を閉じるV6の代表番組『学校へ行こう!』のラストスペシャル、翌週の11月2日からは3週にわたって『バナナサンド』の2時間スペシャルが放送されています。さらに23日は、内村光良司会のバラエティ『ウッチャン式』のスペシャルが控えている。1ヵ月オンエアがないケースは決して珍しいことではないのですが、その“避けられ方”が尋常ではないのです」(放送作家)
『バナナサンド』は火曜午後8時から、バナナマン、サンドウィッチマンの2組がゲストを迎えてトークやゲームに興じるプログラム。同じ番組を3週に渡ってぶち抜きで2時間埋めるという編成もさることながら、その内容にも疑問の声が上がっている。
「11月16日は、千鳥や劇団ひとり、かまいたちといった人気芸人が集結し、若手時代のエピソードや持ち込み企画で楽しんでいたのですが、実はこれ、再放送だったのです。途中から知った視聴者は落胆そのもので、Twitter上では『豪華なSPやなと思って半分ぐらいまで見て再放送だと気がついた』『どうして緊急事態宣言中でもないのにゴールデンで再放送2時間スペシャルとかやってるの?』と不満の声が上がりました」(同)
番組の公式Twitterには、放送にあたり告知のツイートが投稿されているが、それらにも「再放送」「再編集」といったワードは皆無。「今テレビ界で活躍する人気MC次々登場MCだって体張っちゃうぞSP バナナマン サンドウィッチマン 千鳥 かまいたち 劇団ひとり 他では見られない姿がたっぷり 爆上がりお楽しみに」と記され、視聴者が新作を期待するのも当然だろう。
「つまり、再放送という無理やりな特番を組んでまでも『オトラクション』をオンエアしたくない様子が見えるんです。番組のモチベーションの低下は、公式Twitterの更新頻度にも表れています。スタート当初は放送とリアルタイムで、さながら“実況中継”のように投稿。さらにトレンド入りを感謝するようなつぶやきもありましたが、今はオンエアのお知らせのみ。次回の放送も告知されていません」(同)
ちなみに、同番組の視聴率は世帯視聴率3%、個人でも1%台と深夜番組並みといわれている。2月に放送された“パイロット版”の2時間特番でも、午後7時からの2時間放送で世帯3.3%、個人2.1%と苦しい結果を残していた。
「ちなみに、11月16日の『バナナサンド』の裏番組は『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が2時間SP、『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日本テレビ系)も2時間SPという布陣。『オトラクション』を放送して爆死するより、再放送を隠して『バナナサンド』のSPをオンエアしたほうがいいと考えたのでは」(同)
なお、23日に放送される『ウッチャン式』は、TBSが正式にゴールデンレギュラー化させようとしている様子が窺えるという。
「もともと単発特番として土曜の昼や深夜にオンエアされていたもので、のちにゴールデンで1度放送されている。今年の8月から10月までは日曜昼にレギュラー放送されていたことから、TBSは本腰を入れてゴールデンに入れようとしているのでは。もう1カ月以上も放送されてない『オトラクション』に取って代わるかもしれませんね。わかりやすい打ち切りフラグです」(テレビ業界関係者)
先日、TBSの大みそか特番は、加藤が司会のシューティングゲームバトル『THE鬼タイジ』に決まったが、早くも大爆死が予想されている。いまやゲームバラエティ番組は、ジャニーズを多数起用した『VS魂』(フジテレビ系)ですら苦戦するほど数字のとりにくいジャンルだ。次回の放送予定も見えない『オトラクション』は、今後どうなるのだろうか。
(村上春虎)