【サイゾーオンラインより】
2025年10月期のゴールデン・プライム帯(以下『GP帯』)の連続ドラマが、それぞれ最終回を迎えた。個人視聴率のランキング結果をもとに、秋ドラマを振り返っていきたい。
妻夫木聡『ザ・ロイヤルファミリー』、最終回も首位に! SNSでは「ロス」の声も
GP帯のドラマの最終回で最も高い視聴率を獲得したのは、TBSの看板ともいえる「日曜劇場」枠で放送された妻夫木聡主演『ザ・ロイヤルファミリー』(日曜午後9時、以下『ロイヤルファミリー』)。最終回の平均視聴率は、個人7.0%、世帯11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。初回の個人視聴率ランキングでも1位(個人6.8%・世帯11.7%)に立っていたが、以降も大幅に数字を下げることなく、終盤へ突入。最終回でも好成績を残し、しっかり首位を堅持した。
原作は、早見和真氏の同名小説(新潮文庫)で、人間と競走馬の20年にわたる壮大な物語を描いた同作は、開始当初、Snow Man・目黒蓮が物語の大きな鍵を握る「謎の男」という触れ込みでナレーションを担当。のちに馬主・山王耕造(佐藤浩市)の非嫡出子・中条耕一だと判明した。競馬の世界を舞台に、夢を追い続けた熱き大人たちの姿が感動を呼び、最終回の放送後はSNS上で「めっちゃ面白かったから続編を希望」「『ロイヤルファミリー』のない日曜が悲しすぎて絶賛ロス中」といった声が相次いでいる。
夏帆&竹内涼真『じゃあつく』最終回、見逃し配信でも好調!
なお、今期のドラマで“最もSNSで話題になった作品”といえば、 夏帆と竹内涼真がダブル主演を務めたTBS系『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(火曜午後10時、以下『じゃあつく』)だろう。最終回の個人視聴率では、天海祐希主演『緊急取調室』第5シーズン(テレビ朝日系、木曜午後9時)と同率2位(個人5.2%)をマークした。
原作は、谷口菜津子氏による同名漫画(ぶんか社)。恋人のために手の込んだ料理を作り、“恋人ファースト”な彼女を演じてきたことで自分を見失ってしまった鮎美(夏帆)と、「料理は女が作って当たり前!」と決めつけている亭主関白思考な勝男(竹内)による“再生ロマンスコメディ”だ。結婚寸前だった2人は、勝男のプロポーズ直後に破局。料理をきっかけに、「当たり前」を見つめ直して成長していく過程が描かれ、Xでは『じゃあつく』の関連ワードがトレンド入りを果たすなど、大バズリした。
初回の視聴率は個人3.4%、世帯6.3%だったものの、最終回の視聴率は個人5.2%、世帯8.7%にアップ。ニュースサイト「MANTANWEB」の記事(12月10日配信)によると、これは番組最高だった個人4.7%(第8話)、世帯8.1%(第6話)を上回る好数字だったという。
民放公式テレビ配信サービス・TVerは同月10日に11月の月間動画再生数などを公表。ドラマ部門で『じゃあつく』がTBS歴代1位のTVer再生数を記録したと伝えた。さらに、12月16日にビデオリサーチのサイトが発表した「~12月22日は視聴率の日、2025年テレビ視聴データ総まとめ~」によれば、同作は見逃し配信再生回数ランキングの全ジャンルにおいても1位を獲得。11月18日放送の第7話が、522万420回も再生されていたそうだ(集計期間は25年1月1日~11月23日。対象の動画配信プラットフォームにおける再生数をもとにしたランキング)。
菅田将暉『すべがく』最終回、裏番組の『水ダウ』人気企画に敗北
また、三谷幸喜氏が25年ぶりにGP帯の民放連ドラの脚本を手がけたことで注目を集めたフジテレビ系『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(水曜午後10時、以下『もしがく』)は、個人1.6%、世帯2.9%でフィニッシュ。初回視聴率の個人3.1%、世帯5.4%から大きく下落し、15作中14位となった。
同作は、1984年の東京・渋谷のとある劇場を舞台にした青春群像劇で、三谷氏の自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。菅田将暉が主演を務め、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波ら豪華キャストが集結するも、視聴率面では「ヒット」とは言えない結果に。
12月17日(最終回)は、同時間帯にTBS系バラエティ『水曜日のダウンタウン』の人気企画「名探偵津田」の新作「第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~」が放送され、視聴率は個人3.7%、世帯5.8%で『もしがく』に圧勝。同ドラマは開始以降、視聴率が低迷していた上に、最終回でも視聴者を裏番組に持っていかれるという残念な最後だった。
葵わかな&神尾楓珠『すべての恋が終わるとしても』最終回、初回同様視聴率ワーストに
そして最下位となったのは、葵わかなと神尾楓珠のダブル主演作『すべての恋が終わるとしても』(テレビ朝日系、日曜午後10時15分~)。原作は冬野夜空氏による同名の短編小説シリーズ(スターツ出版)で、男女8人の切ない群像ラブストーリーを描いた作品だ。
2人のほかにメインキャストとして、なにわ男子・藤原丈一郎、本田望結、山下幸輝、白洲迅らが出演。初回の個人視聴率は1.5%でランキング最下位だったが、最終回も同じく個人1.5%で今期ワースト1位になっていた。
なお、10月期ドラマで視聴率トップとなった『ロイヤルファミリー』が放送されていた「日曜劇場」枠は、26年1月から鈴木亮平主演の『リブート』を放送。妻殺しの罪を着せられた主人公(鈴木)が愛する家族を守るため、事件を捜査している刑事に“顔を変える=リブート(再起動)”するという物語。善良なパティシエと悪徳刑事の一人二役を演じるといい、かつてないストーリー展開とともに鈴木の熱演ぶりも見どころとなりそうだ。1月からの連ドラにも期待が高まる。
【2025年GP帯秋ドラマ“最終回”個人視聴率ランキング】
1位『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)個人7.0%、世帯11.4%
同率2位『緊急取調室』第5シーズン(テレビ朝日系)個人5.2%、世帯9.0%
同率2位『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)個人5.2%、世帯8.7%
4位『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)個人4.8%、世帯7.1%
5位『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)個人3.4%、世帯6.2%
6位『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)個人3.1%、世帯5.2%
7位『フェイクマミー』(TBS系)個人2.8%、世帯5.3%
同率8位『コーチ』(テレビ東京系)個人2.6%、世帯4.9%
同率8位『ぼくたちん家』(日本テレビ系)個人2.6%、世帯4.3%
10位『終幕のロンド ーもう二度と、会えないあなたにー』(フジテレビ系)個人2.1%、世帯4.1%
同率11位『新東京水上警察』(フジテレビ系)個人2.0%、世帯3.8%
同率11位『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)個人2.0%、世帯3.6%
13位『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系)個人1.9%、世帯3.4%
14位『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)個人1.6%、世帯2.9%
15位『すべての恋が終わるとしても』(テレビ朝日系)個人1.5%、世帯2.9%
※10月から2クール連続放送中の『相棒 season24』(テレビ朝日系、水曜午後9時)は対象外とする。